大飯原発再稼動の先にあるもの

大阪市の橋下市長が手の裏を返したように大飯原発の再稼動容認を表明し、京都、滋賀も腰が砕けたようだ。原子力規制庁もまだ出来ないというのに、もはや野田首相の決定に委ねられた再稼動は時間の問題となった。圧倒的な国民の反対、不安は無視され、行政と電力関連会社など推進派の権益は保証された。福島の事故から1年3ヶ月、収束の見込みも立たず今も多くのリスクをかかえ、多くの被災者が苦しんでいるというのに!これは政治行政の堕落であり崩壊である。

 

関西電力の需要予測によるとこの夏関西の電力は15%の不足ということだが算出根拠ははっきりしない。昨年夏の関東の節電実績を見ればこの位の節電は国民の省エネへの知恵と努力があれば克服出来るのではないだろうか?またその成功によって将来の日本のエネルギー事情は脱原発へ大きく舵を切ることが出来るだろう。反対に大飯原発の再稼動は省エネへの意欲を阻害し再生可能エネルギー開発の芽を摘み取り、さらには各地の原発再稼動に連動波及して脱原発は元の木阿弥に戻ってしまうだろう。歯止めのなくなった原子力技術や産業の海外輸出も恐ろしい。それは世界的な核の拡散にもつながるからだ。

新しい再生可能エネルギーへの追求がなければ日本の将来はない。日本はもっと脱原発のドイツの先見性と知恵に学ぶべきだ。原発依存度75%のフランスでさえ新大統領になり脱原発に舵を切り出したではないか。