小泉純一郎の引退

はてな?あの若造は誰だろう。

もう20年近くも昔になる。市医師会の会長をしていた私の兄の長男の結婚披露宴に来賓で来ていたのが小泉さんだった。当時厚生大臣だったが大臣と言うよりはキャリア官僚風の青二才という感じだった。祝辞で「I 先生はそんじょそこらのお医者さんと違って東大出の・・・」と兄を持ち上げたので、大臣とはそんなものかと苦笑したのを覚えている。この人が総理大臣になって5年半も日本を揺さぶるとは予想もしなかった。

総理大臣になってからは自民党をぶっ壊すと周りに敵を作っては闘う姿勢をアピールして国民に受けた。議員定年73歳を打ち出して中曽根、宮沢元首相に引退を迫った時はやるなあという気がした。たしか宮沢さんはそれではと言ったが中曽根さんはテロだと言って激怒した。イラク攻撃のブッシュを率先して支持表明した時は鬼気迫る演技だった。参議院自民党議員に造反されて法案を否決され衆議院を解散した郵政選挙では刺客まで立てて選挙に大勝して多くのチルドレンを作った。暴論を正論にしてしまう異才と言ったらよいのか。

そんな小泉さんだから今度の引退は遅きに失した。むしろ総理を辞めた時に議員も辞めた方がすっきりしたと思う。なまじ居残って影響力を残そうとした。後継にお気に入りの安倍さんを推したが参議院選で大敗し1年で政権を放り出され悲哀を味わった。引き際を誤ったと言うべきだろう。

そんな小泉さんが安倍さんの後の福田さんまでもが1年で政権を放り出すに到って遂に引退を決意した。総選挙には次男の進次郎氏を立てるのだそうだ。なるほど考えていたのだなあ。地元の支持者の集まりの会で息子を紹介して涙を流して見せた。本当のチャイルドには弱かった。「最後の親馬鹿をお許し下さい」・・ああ、この異才も最後はただの人だったのか!代々受け継いで来た世襲という束縛からは解き放たれなかったようだ。最後まで演出家であり役者ではあったが・・