オバマさんの就任演説

選挙戦の時からオバマさんの演説は定評があった。就任演説ではどんな美麗字句がとび出すのか期待と興味があった。でもジョン・F・ケネディのような派手な名文句は無かった。演説はA new era of responsibilityに代表されるような堅実なものだった。敵か味方かを標榜したブッシュ施政に対する反省とアメリカの建て直しに向けて国民の協力を求める真摯な態度と熱意を滲ませたものだったし、イラク撤退、グリーンエコノミーを始めとする具体的な施策もきっちりと盛り込まれていた。ワシントンに集まった200万人の人々の熱狂的な興奮は観ていて羨ましい限りだった。始めての黒人大統領を選出したアメリカ国民の勇気と活力に敬意を表したい。



政局に目を奪われて野党への攻撃に終始した日本の総理大臣の施政方針演説に比べて何と言う品格の違いだろう。麻生さんはメルマガで「オバマ大統領が就任演説で語った、課題の認識も、処方せんも、私の考えと極めて共通しています」と自賛しているが、問題は"Yes, we can !"に象徴される国民と共にある姿勢の違いだろう。国民の7割が反対するバラマキ給付金はやる。無駄遣いを是正する行政改革には極めて消極的、法律で決められた公務員の天下りや渡りの禁止を政令で密かにひっくりかえして顧みない。これが今の日本の総理大臣の姿である。

生声CD付き [対訳] オバマ大統領就任演説

生声CD付き [対訳] オバマ大統領就任演説