政治の心

麻生さんが初めて裸になった。自分の失敗や至らなさを党の両院議員の前で反省し詫びたのである。


 

お坊ちゃん育ちで生まれながらにしてエリートを約束された彼は人は扱うもの、コントロールするものという傲慢な考えが定着しているのだろう。総理という最高権力に執着するあまり、これまで間違いとかブレたと言われるのを極端に嫌って強弁や独断を重ねて来た。その結果、民意は離れ党の役員や閣僚からもそっぽを向かれる事態に陥った。解散か総辞職かという崖っぷちに立たされた彼は腹を括ったのだろう。これで党内は何とか収まり辛うじて解散選挙に持ち込むことが出来た。

去年の暮だったか不況で解雇されてハローワークに仕事探しに来た気弱な若者を掴まえて冷たい説教をするシーンをテレビで見たことがある。政治は心である。人の心を動かすのは情である。麻生さんがそれを悟ったとすれば、まだ自民党も生き残れるかもしれない。それにしてもいま西日本で大きな豪雨災害の非常事態が発生しているにもかかわらず総理自身は無関心なように見える。それどころではないと思っているのだろうが、そんなところが人心の機微を心得ないお坊ちゃまなのかもしれない。首相が先頭に立って救援を指揮する姿を見たら国民は感動するに違いない。庶民を気取って秋葉原でちゃらちゃらして見せるだけが人の心を掴むのではない事に気がついているだろうか。