エコロジーとエコノミー

ゴールデンウィークは繰り出した車で高速道路は何処も大渋滞のようだ。定額給付金に加えて高速料金一律千円で人々は浮かれ立ったようだ。これを麻生効果と呼ぼう。それだけではない。新しい省エネ自動車や家電に買い換えるとエコポイントと称して値引きするというのだ。勿論これらの財源は国民の税金である。いずれ近い先には消費税の値上げが用意されているのだろう。それでも足りない分は将来支払われるべき借金として孫子に先送りされる。


「政局より政策、最大の関心事は景気対策」という麻生さんのこれらの政策はすべてが単年度のもので当面の効果を狙った思いつきばかりだ。当面の効果とは勿論間近に迫った衆議院議員選挙である。内閣支持率が20%から30%に回復したという。小沢民主党の翳りもあるが麻生さんも自信を取り戻したかのようだ。国民は小手先のバラマキに踊らされてはいけない。

いま政府が進めているエコ対策と景気対策はどう見ても矛盾している。高速道路が渋滞して無駄なガソリンを消費し二酸化炭素を撒き散らすのはどうしてもエコとは思えない。まだ使える車や家電製品を買い換えることも資源の無駄遣いではないのか?「もったいない」を主唱したのは小泉さんだったのではないのか、一体政府は二酸化炭素削減計画を本気で考えているのだろうか?

ここで政治家にお願いしたいことはエコロジーとエコノミーの両立である。これは今のようなバラマキでは解決しない。論理的で持続的な中長期の政策を策定してもらいたい。これは自民党民主党もそれぞれが案を練って徹底的に国民の前で議論してもらいたい。それが7月とも8月とも言われる衆議院議員選挙の最大の争点でなければならないだろう。