25%削減のインパクト

民主党の圧勝に終わった総選挙、日本にもいよいよチェンジの時が訪れた事を日々実感する。与党ボケした自民党の見飽きた顔に代わってテレビに登場する民主党のベテランや溌剌とした中堅、若手の明確な発言は発想がまるきり新しいし説得力もあり新鮮さに溢れている。政治が面白くなった!


中でも驚いたのは鳩山さんの温室効果ガス排出を2020年までに1990年比25%削減するという地球環境フォーラムでの発言だった。数ヶ月前麻生総理が表明したのはたったの8%だった。麻生さんはこれを2005年比15%と言い換えて失笑を買った。どうしてこうも違うのだろう?これは政治戦略の違いだろう。麻生さんが如何にして既得権益を守るかという目先の景気対策への発想からだったのに対して、鳩山さんは地球温暖化問題を新しい技術革新と技術輸出、新しい雇用の創出という観点から積極的に捉えたのだろう。しかもこれは削減に消極的な米国、中国を促して世界のリーダーシップをとることを意図したものかもしれない。私は今年の1月5月エコロジーへの政治的挑戦への期待について書いた。鳩山さんによって取り上げられたことは嬉しい。鳩山新政権によってどんな具体的な政策が打ち出されるのか期して待ちたい。

次に期待されるのは官僚依存政治の解体である。かねてより天下りを始めとする省益のためにする官僚の厖大な無駄遣いが指摘されて来た。でも何十年も官僚機構に依存し深くつるんで来た自民党政権は何の手立てもして来なかった。民主党中心の連立政権によってどんな改革のメスが入るのか期待をもって注目したい。

言うは易く行うは難し。他にも年金、高齢者医療、郵政民営化、道路ダム建設、さらに外交安全問題など、長年の自民政治で破綻した諸問題をどのように立て直して行くのか目が離せない。従来の公共施設建設や大企業優遇の行政から脱却して国民の生活を中心に据える民主党の政策が着実に実現されることを期待する。

それにしても自壊した自民党の混乱ぶりは目を覆いたくなるなるようだ。一部の権益の擁護以外に殆んど何の政治理念もない人達によって今まで日本が動かされてきた事は国民にとって大変な不幸だった。自民党が猛省して再生することを祈るばかりである。緊張感のある政治が持続されるためにそれは必要なことである。