鳩山さんは政治家を辞めなさい

鳩山さんてこういう人だったのか。首相時代、見境もなく普天間国外県外移転を唱えて問題をこじらせ、自ら決めた期限が来ると「勉強すればするほど抑止力の重要性を知った」という迷言をもって沖縄の人達を失意のどん底に突き落とした。格好のいいことは言うが確信と実行力がなく出来なければ恥ずかしげもなく無責任に謝ってすます。これは幼児性とも言える。この人はこのように育てられたのだろう。なにしろご母堂から毎月何千万円のお小遣いをもらいながらまったく知らなかったと言うのだから仕方がない。これは言い訳ではなく本当だったのだろうと私は思う。

たしか総理を辞する時「今期かぎりでもう政治家をやめる」と言ったと思うのだが、今度の民主党代表選でのみっともない取り持ち騒ぎはなんだろう。この人は理想家だと思っていたがとんでもない食わせ者だった。菅首相を支持するとずっと言っておきながら、小沢さんが立つとみるや小沢支持にころりと変った。その理由が「小沢さんのおかげで総理大臣にまでさせて頂いた。いま恩を返すのは当然」というのだ。軽井沢の別荘で派手な打ち上げ会までやった。そこには国民のための政治という発想は皆無である。あるのは旧態依然自民党と同じ政権たらい回し思想である。

鳩山さんは民主党の分裂を恐れて夢よもう一度一年前の原点に帰るべきだとトロイカ方式をいまさらのように持ち出したがその内容が人事権限の談合だと知ると菅さんはきっぱりと断ったそうだ。この鳩山さんの行動は見苦しい。いまさらトロイカとはよくも言ったものだ。鳩山さんは政治家を辞めるはずではなかったのか?もう三頭目の馬は要らない。持論の友愛は政界でなくて社交界ででも使ったらよかろう。会談が決裂した日の鳩山さんの悲しみに打ちひしがれた表情はさながらピエロのようだった。でもこれも計算上の演出かもしれない。

鳩山さんの支持を得て小沢さんが代表選出馬を決めた。国の経済が危機的なこの時に選挙などと批判する向きもあるがこれは総理大臣を決める選挙である。この選挙の意味は大きい。是非二人のオープンな正々堂々たる政策論争を聞きたい。そして議員や党員の一人ひとりが義理や保身に捉われず日本のリーダーを公正に判断してもらいたい。それでこそクリーンな民主党と言えるだろう。選挙後の挙党一致体制については両者合意しているという。当然のことながら是非そう願いたいものだ。

鳩山さんには静かにしていてもらいたい。小沢さんには先ず懸案の政治とカネの説明をしてもらいたい。検察が不起訴にしたのだから不正はないという形式論でなく、なぜ大金を集めて転がす必要があったのかカネは何処から集め何に使ったのか国民は知りたがっている。現に公設秘書を含む3人が逮捕されている。それに検察審査会もまだクリアしたわけではない。小沢さんに責任はないのか?小沢さんはゴッドファーザーで普段人前で政策を語るといった場面を見ることが少ない。この機会に彼のすべてをオープンにされることは大変良い事である。

すでに一昨日から菅、小沢の厳しい論戦が公開で始まっている。時間も十分残されているので徹底的な討論を期待している。日本の政治にもある変化が起こりつつあることを実感する。