もう手遅れ?地球温暖化

はてな地球温暖化否定論者は喜ぶのだろうか?


二酸化炭素による地球温暖化はすでに回復可能のレベルを超えており、たとえ今二酸化炭素の排出をゼロにしたとしても今後1000年は地球はゆっくりだが気温上昇を続けるというショッキングな論文が米国科学アカデミー紀要2月10日号に掲載された。著者は著名な気象学者、米海洋大気局研究所のスーザン・ソロモンさん他3名である。論文のタイトルは「二酸化炭素排出による不可逆的気候変動」。ソロモンさんは2007年にアル・ゴアさんと共にノーベル平和賞を受賞している。
Susan Solomon et al., Proc. Nat. Acad. Sci., 106, 1704-1709 (2009)


論文によると二酸化炭素の排出が無くなれば二酸化炭素による温室効果は減少するが海洋による熱の吸収は大変遅いので気温は少なくとも1000年は大きく下がることはない。また今後100年二酸化炭素の排出を今のレベル、容量にして100万分の385ppmv(100万分の385)から450−600ppmvに増加した場合、世界の数箇所で乾期の降雨量を減少させ、海面の上昇は避けられない。21世紀中に排出が600ppmvを超えると海面上昇は0.4−1.0m、1,000ppmv以上だと0.6−1.9mに達するという。さらに氷河や氷床の融解の影響はこの論文では不明だが数mの上昇をもたらすだろうと述べている。

見方によってはむしろ温暖化否定論者を喜ばせるような内容だが、もう手遅れだから傍観するほか無いのか?いや人類の叡智を結集して事に当たらなければならないことは確かだろう。深刻な警鐘と受け止めるべきだと思う。

Climate Change 2007 - The Physical Science Basis: Working Group I Contribution to the Fourth Assessment Report of the IPCC

Climate Change 2007 - The Physical Science Basis: Working Group I Contribution to the Fourth Assessment Report of the IPCC